大手外資メーカーに勤める37歳(男)マーケティング部マネージャーです。これくらいの役職になると、人事から新卒採用の面接官をするよう依頼が来ます。

普段忙しい仕事からいっとき解放されるため、気分転換がてら快く引き受けるのですが、私は人事なんて関わったこともなく、ましてや面接なんて経験は一切ありません。こんなのが面接してもいいのか、と思っていたのですが、一週間後に面接官向けの研修があったので、そこでキャッチアップすればよいかと考えていました。

新卒の面接官は、面接に関してど素人

研修に行くと、そこには私と同じような普段実務に携わっている中堅クラスがずらりといました。
研修はいたってシンプルで、「圧迫面接となるようなことはするな」「礼儀正しく、学生を敬う態度で」などといった内容でした。

こんな状態で学生の人生を決める面接をしていいものか、と思いました。周りも皆同じ思いです。

しかし、面接なんてそんなものなんです。学生は不安な気持ちを抱えて色々と対策をして挑むのでしょうが、面接官も同じように不安なんです。

そもそも30分かそこらで人となりを見抜くなんて無理です。中途のように、職歴とスキルベースで判断するのであれば実務に携わっている人が見れば判断できますが、新卒のように人格ベースで判断するには30分では短すぎます。丸一日かけてもわからないかもしれません。

だから、新卒の面接はほんとに適当なんです。
これといった判定基準もなく、強いていうなら「なんとなくコミュニケーション力が高そうな感じ」といった程度なんです。

面接は退屈である

面接当日、面接官は何十人という学生を相手にします。

最初の方は楽しく会話を進められます。サークルの話やバイトの話など、「最近の学生はこんなことやってんのか〜」と思います。

しかし内容はどれも似たり寄ったりなので、5〜6人くらい面接をしてるとだんだん飽きてきます。10〜15人くらい面接すると、内容がほとんど頭に入ってこなくなり、だんだん眠くなります。

独特なエピソードのある人が採用されるわけではない

面接はほんとに退屈なのですが、だからといって他の人が経験していないような独特なエピソードを語る人が採用するわけではありません。

たしかに話がおもしろいと目が覚め、退屈しのぎになるのですが、私たち面接官はそんなとこ見てません。

人事が最も恐れるのは、採用した人がすぐに辞めること。そして私たち実務につく人が恐れるのは、使えない新卒ばかりが入ってくることです。

そのため、採用に当たりその辺は慎重になります。まず体力があって打たれ強そうな人はマル。コミュニケーション力があって、会話の中でこちらの意図を正確に汲み取れる人はさらにマル。

特に外資だと、少数精鋭でやっているところが多いので、使えない新卒が入ってくると自分の業務にも影響してきたりします。

先ほどは退屈だといいましたが、結構本腰を入れてやってます。学生の人生を決めるだけでなく、自分の仕事もかかっていますから。

結局は体育会の学生または無難な人が採用される

真剣にやっているとはいえ、30分かそこらで学生のコミュニケーション力や打たれ強さなどを測るのは不可能です。

なので結局、体育会出身や、見た目が良い人、無難な人を採用してしまいます。だって分かんないんですもん。

もちろん、限られた中で出来るだけ情報を集めようとします。しかし、学生の経験なんてどれも似たり寄ったりなんです。
「大学では微生物を研究していて、御社に役立つウンヌンカンヌン」
「お金を貯めてたアフリカを旅し、そこで培ったウンヌンカンヌン」
「所属していたサッカーサークルでは会長をしていてウンヌンカンヌン」

ぶっちゃけ、どんながんばった経験を話してもらっても、学生のがんばった話は業務と関係ないから内容なんてどうでもいいんです。私も面接した学生の話の内容なんてほとんど覚えていません。

返す言葉も適当です。「その時に何か困難に感じたことはありました?」とかです。「へーそうなんですか」と同じレベルです。

中途ならかなり念入りに聞きます。
「前職ではマーケティング部門におり、webメディアを活用したデジタルマーケティング戦略をしていました。」
「なるほど。そうするとwebサイトの構築にもお詳しいのでしょうか?その時に使っていたCMSパッケージはなんですか?」
といった感じです。

しかし、新卒面接はそこまで具体的な話はできません。話も経験をベースにした抽象的な話になってしまいます。決して学生に対していいかげんに言葉を返しているわけではなく、単純に仕事に関する会話ができないからなのです。

もし行きたい分野が決まっているのなら、その業界に関する研究または仕事をするべき

新卒面接は上記のわけで、体育会出身者や無難な人が通りやすくなっています。

とはいえ、例外として新卒としてではなく即戦力として中途面接の視点で判断できるケースがあります。その時は業界によっては圧倒的に有利です。

総合商社やメガバンクのような、若手はなんでもやらされるような会社では関係ありませんが、システム会社や投資銀行、メーカーの研究職のような特定の専門性が求められる会社では、その分野の研究や長期インターンをしていると圧倒的に有利です。

「おれはこの分野を経験しているから即戦力だぜー!」というような傲慢な感じを出すと印象は良くないですが、少なくとも他の学生よりは印象に残りますし、採用意欲がたかまります。

私の同期でP&D部門に行った人がいるのですが、大学で同じようなことを研究していたので、新卒から即戦力として仕事ができ、今では部長になってます。

まとめ

・面接官は素人だし、学生の話はほとんど頭に入ってない
・新卒採用は判断基準が曖昧なため、体育会出身者や無難な人が採用されがち
・その中でも、自社の分野の研究や仕事を経験している学生は、他の学生よりも一歩リード

といったところでしょうか。
いずれにしても、面接官は学生が想像してるよりも素人ですので、そんなに気負わなくても良いかと思います。

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